【人材募集中】CEATEC JAPAN 2014で岩佐が講演した「Cerevo流」ものづくりに関する登壇内容をご紹介します


2014年10月7日から11日にかけて千葉県・幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2014」にて、弊社代表の岩佐が「小ロット海外生産が可能にしたハードウェア・スタートアップのグローバル・ニッチ戦略」と題して講演を行ないました。

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CEATEC JAPAN 2014で代表の岩佐がスタートアップのものづくり戦略について講演いたします | Cerevoからのお知らせ
http://info-blog.cerevo.com/2014/10/02/733/

当日は多くの来場者にご参加いただきましたが、日程や場所などの都合でご参加が難しかった方に向けて、岩佐の講演内容をダイジェストでご紹介いたします。


Cerevoは「ネットと家電で生活をもっと豊かに、便利にする」をスローガンとし、ネット接続型家電の企画・開発を手掛ける家電メーカー。PCレスのライブ配信機器「LiveShell PRO」やライブ配信機能搭載スイッチャー「LiveWedge」、ネット経由で操作できる電源タップ「OTTO」などを開発。
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現在のスタッフ数。2014年上半期は15人程度だったが、5月より大規模な人材募集を実施しており、現在では30名に(まだまだ人材募集中です)。ceatec02

Cerevo製品の販売状況。日本国内と海外がかなり近い比率。海外では23カ国以上で売れている。ceatec03

1製品あたりのチーム構成。特徴はデザインとメカを1つの職能としてまとめており、デザインがメカもパッケージもマニュアルも見る。アプリに1/4をかけるバランスは大企業ではあまり見かけないが我々はフロントエンドと呼んで重視している。最近のアメリカで勢いがあるハードウェアスタートアップも同じような構成を取っているらしい。ceatec04

今回のテーマは大きく2つ。1つはなぜ作りやすくなったのか、もう1つはなぜ売りやすくなったのか。
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Cerevoの製品開発から量産まで。各種設計はすべて自社で行なうがあとはアジア中心。設計データさえしっかり作ればあとはデータを送るだけでいい。オフィスから動くことなく製品を開発できる便利な時代。

販売に関しても海外の代理店が売ってくれる。EUの代理店は一度も会ったことも無いが毎月何百万も売ってくれている。
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ハードウェアスタートアップでよく聞く事例がクラウドファンディング。欲しいと思った製品に対してプレオーダーとして先に支払うことで、開発者は開発費用を調達できる。1万円の製品アイディアを1万人が支援すれば1億円が集まる。

投資家はなかなかお金を投資してくれなくて、お金を集めようとするといろいろ資料作ったり販売計画を説明したりと大変だが、クラウドファンディングなら世界中のマニアックな人たちがめざとくいいものを見つけてクレジットカードで支払ってくれる。
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これは最近Kickstarterで最も大きな金額を集めている「COOLEST」。いろいろな機能があるとはいえ、基本的にはクーラーボックスに大容量バッテリーを乗せただけ。これだけのシンプルなアイディアが、スマートウォッチのPebbleを超える金額を集めている。これは新しいハードウェアスタートアップのやり方の1つ。
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部品のモジュール化も重要な動き。3G/LTEもWi-FiもBluetoothも一から開発するのではなく買ってくれば良い。スマートフォンが世界を変えた1つの要因として、Wi-FiやBluetoothといったホスト側を世界中の人が共通のプロファイルで持つようになったこともハードウェア側から見ると大きい。
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これはiPadを分解した画像。ディスプレイモジュールやカメラモジュールなど基本的にはモジュールばかり。アップルは独自のカスタマイズをしているだろうが、構成部品だけを見れば我々のような小さな会社でも調達できる。家電がデジタル化したことが、我々のような小さなメーカーの勃興を支援してくれている。
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これは中国との部品交渉をしている画面。同時に5つの画面で別々の会社と交渉をしている。中国ではこうした部品交渉のために専属でチャット用のスタッフを用意していて、問い合わせたら15分で回答が来る。「まずは打合せから」なんてのんびりしていない。ceatec13

自社の製品開発のためのガントチャート。3Dプリンタのおかげで筐体の初期設計時間は大幅に短縮。開発リソースとしては組み込みソフトのリソースが大きいが、これもオープンソースが役に立っている。電気設計も先ほどの通りモジュール調達で大幅に短縮できている。

EMS(electronics manufacturing service、電子機器の受託生産を行うサービス)も大きな部分を担っている。製品の最後の量産や製造を外部に委託することで高価な機材を自社で持つ必要もなくなった。
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最終的なまとめ。家電のデジタル化に伴うモジュール化で開発が容易になり、仕入れや交渉もネットで簡単にできる時代になった。さらに3Dプリンタやオープンソースなど開発のコストも大幅に安価になっている。EMSの急増で小ロット生産も容易になり、Amazonを使えば工場からAmazonの倉庫へ送るだけで実際の流通や金融周りにタッチすることなく売上が口座に入ってくる。ceatec15

ここまでは作りやすくなったという側面。続いてもう1つの売りやすくなったというお話。ceatec16

Cerevoのコンセプトは「グローバルニッチ」。100人しか欲しがらないようなものでも、100カ国で売れば1万台になる。そのためには100人が強烈に欲しがるようなものを開発する。ceatec17

いままでの売り方はまず市場規模ありき。これではどうしても視野が狭くなる。ceatec18

マイナーでもいいから世界で1つだけの製品を作って世界で売ろう。これがCerevo流。現状の数字なんでものは意味が無い。GoProが出るまでサーフィン用のカメラなんてものは存在しなかった。存在しないものの市場規模を語っても仕方が無い。ceatec19

最後に人材募集。今の会社で作れないものを一緒に作りませんか。応募は Cerevo.com まで。
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“Cerevoでは現在一緒に働いていただける方を絶賛募集中です。職種は組み込みソフトウェアや電気設計、デザイン、アプリ開発、サーバーサイドなど多種多様なエンジニアに加え、プロジェクトマネージャーやサポートといった職種も募集中です。Cerevoにご興味をお持ちいただける方はぜひ採用情報から詳細を確認の上ご連絡ください。ご応募お待ちしております”