2016年4月中旬、声優の野島健児さんがCerevoオフィスがあるDMM.make AKIBAに遊びにきてくださいました。
そこで3月に発売したCerevoの自動変形型「ドミネーター」で遊んでいただいた様子をお届けします。
加々見:CerevoでドミネーターのPM(プロダクトマネージャー)をしています、加々見です。
谷口:ドミネーター開発チームの谷口です。本日はお越しいただいてありがとうございます!
野島:野島健児です、よろしくお願いします。
加々見:さっそくなんですが、私たちが開発したドミネーターがこちらです。スペシャルエディションになります。
野島:おお〜〜!!スペシャルエディションというと……?
加々見:ドミネーターには通常版とスペシャルエディションがあり、違いはグリップの部分の素材です。
公安マークがアルミと人工ルビーでできていて、さらにローズウッドという本物の木を利用していて、オイル磨きで仕上げています。
野島:オイル磨きだからカレーパン食べた手で触っても大丈夫、と。
加々見:そうですね(笑)よかったら持ってみてください。
野島:けっこうずっしり感がありますね。前に触らせてもらったときよりも重いのかな?
加々見:前回はプロトタイプ版を展示した、2015年7月の「PSYCHO-PASS サイコパス 2」朗読劇で宜野座伸元役で出演していらっしゃったときでしたよね。
野島:なので今回、製品版をさわるのを楽しみにしていました!
加々見:ありがとうございます!そしたらグリップのところをしっかりにぎってもらっていいですか?
野島:こうですか……?あ、光った!
加々見:このグリップ部分にタッチセンサーをいれているので、しっかりにぎってもらうことで電気がつくようになっているんです。
野島:タッチセンサー!すごいですね。あ、起動音声が「宜野座伸元」になってる!
加々見:こっそり変えておきました。いまは監視官verの宜野座さんにしています。
野島:監視官と執行官と両方設定できるんですか?
加々見:はい。スマートフォンのアプリと連携させることで、設定可能です。
野島:アプリがないと遊べないんですか?
加々見:いえ、本体だけでも遊べるようになってますよ。そしたらその状態でトリガーを少しだけひいてみてください。このモードはトリガーを引くだけでパラライザーとエリミネーターを繰り返す、「Transform Mode」です。
野島:(エリミネーターに変形中)なんか、すごい。中も光ってますね!
加々見:LEDが200個くらいはいっています。光り方にこだわってるのでかなり無理していれました。
野島:前みたときはこんなんじゃなかったですよ。
加々見:そうですね、前のプロトタイプ版ではだいぶ簡略化していたんですが今回の製品は細かいディティールも原作に忠実につくっています。
野島:前回は指をはさまないように気をつけてましたよね。
加々見:製品版では指はさみ検知機能をつけているんです。指をはさみそうになると、変形せずに元に戻ります。
野島:本当ですか!?
加々見:やってみますか?
野島:大丈夫ですか……?
加々見:エリミネーターにした状態で隙間に僕の指をいれるのでトリガーひいてみてください。
野島:(変形中)おお、戻りましたね。
加々見:Cerevoは家電メーカーなので、家電としての安全基準みたいなものは一通りチェックしています。
野島:これでケガなく安全に執行できますね!
加々見:そうですね(笑)では、せっかくなのでアプリで色々設定してみましょう。このアプリは作中に出てくるパソコンの画面などをイメージしたデザインになっています。
野島:なるほど。
加々見:先ほどの起動時のキャラクター設定は、Wi-Fiでつながったスマートフォンアプリの「Character」から変更できます。よかったら執行官の宜野座さんに設定してみてください。
野島:これかな。いま執行官っていいましたね!
加々見:どちらのバージョンも日髙のり子さんに言っていただきました。
野島:日髙さん、お手数おかけしました。
加々見:一期、二期の一係のメンバーは全員はいっているんですよ。
野島:これだけでもだいぶ楽しいですね。
加々見:このドミネーターには肝となる遊び方がもう1つあるんです。ドミネーターの先端に小型カメラがついていて、それで犯罪係数の測定ができます。
野島:カメラがついているんですか!?
加々見:スマートフォンなどについているような小さいものです。ドミネーターを向けた先にいる人の顔を認識して犯罪係数を測定します。
「Execution Mode」でアプリにカメラの絵が表示されます。
野島:おおおお。これで測れるんですか?
加々見:人の顔を認識すると計測されるので……まずは僕が野島さんを試しに測ってみましょうか。
野島:以前ほかのイベントで測ったときは0だったんですよ(笑)今回はどうかな。
ドミネーター:(計測中)犯罪係数257、執行対象です。
加々見:高いですね!
谷口:一期の終わり頃の宜野座さんと同じくらいですかね。
野島:えぐいかんじだ。
加々見:エリミネーターにはならなかったですが、このまま執行させてもらいますね。
野島:はい、執行してください。
加々見:トリガーを最後までひいて執行すると……
ドミネーター:(バーン)
加々見:連携したスマートフォンにいまの犯罪係数を測った写真が保存されるんですよ。
野島:わるい顔が撮れるわけですね。
加々見:よかったら僕に向けて測ってみてください。
ドミネーター:犯罪係数170、執行対象です。
加々見:ここででてきている犯罪係数はランダムではなくて、顔認識をしたうえである一定のアルゴリズムを元に計測しているものなんです。なので1日のうちではそんなに変化しないんですよ。
野島:しわの数とか……?
加々見:どこで測っているかは秘密です。
野島:顔じゃないとだめなんですか?
加々見:顔じゃないところに向けてみてください。
野島:例えば手とか……
ドミネーター:執行対象ではありません。トリガーをロックします。
加々見:このように、顔を認識できないと犯罪係数は測れないようになっています。
野島:なるほど。カメラいいですね。
加々見:そんなiPadにむけて使う人はじめてみました!きれいですね。
野島:飲み会に持って行くと人気者になれそうだ。他にはなんのモードがあるんですか?
ドミネーター:(カチャ)
野島:あれ?これなんの音ですか?
谷口:よく気づいてくださいました!
加々見:アニメのなかではよく、銃をかまえたときに効果音がなるんですが現実の銃ではそういった音はあまりなりません。それをあえて作品に忠実に音も再現してみたんです。
野島:気づいちゃうんですよねぇ、そういうの。
加々見:ドミネーターには加速度センサとジャイロセンサが搭載されていて、そのセンサの値をみてドミネーターがいまどんな状態にあるかをみて音を出しています。
野島:グリップのタッチセンサやカメラなど、色々なものが入っているんですね。
加々見:変形部分は2つのモーターを使って3段階の変形を表現しています。
野島:この変形するところをじっくり見たいですね〜。
加々見:実はそんな人のために、変形スピードを変える設定もあります。
野島:心持ちゆっくりになった!前にみたものとはやっぱり全然違いますね。
加々見:アプリでWi-Fiの接続感度と電池の減り具合が確認できるようになっています。
野島:あれ、もう電池が半分くらいになってますね。
加々見:実は光り方にこだわりすぎてLEDをのせすぎたので、LEDを光らせるのに電池の消耗がすごくいんです。なので、電池の持ちをよくしたい方向けにLEDの発光量もアプリで調整できるようになっています。
野島:本当だ、光が弱めになった!省エネモードだ。電池は充電できるんですか?
加々見:グリップの部分の下から電池の交換ができるようになっています。
野島:いいですね〜。あちこち持って行きたいな。
加々見:音声は本体からだけでなく、連携するスマートフォンからも出せるので音響設備のあるとこで使ってもらうこともできますよ。
野島:これ音声ならすたびに日髙さんにギャラが発生したり……?
加々見:そんなことはありません(笑)「Sound Test」というモードでは、日髙さんにしゃべっていただいた台詞が楽しめるようになっています。
谷口:アニメに出てきた台詞はもちろん、メディアミックスのみで登場したような台詞もここでは聞くことができるんですよ。
加々見:本体では流れない音声も入っています。
野島:こんなにたくさん収録したんですね。
ドミネーター:Cerevo
加々見:これはオマケで録らせていただきました。
野島:これ、光った状態で写真撮りたいんですけど……
加々見:そういう人のために最近「Display Mode」を公開しました!アプリでパラライザーかエリミネーターか選ぶと、手を離しても光りっぱなしになります。
野島:これはいいですね!
加々見:お部屋とかに展示してもらうのにも使えます。別売りのディスプレイスタンドがあると、飾っておきやすいんですよ。
野島:どこに飾ろうかなぁ。
加々見:展示台においたままで自動で変形する機能もついているんですよ。
野島:えええええ〜!
加々見:いいリアクションありがとうございます。アプリで時間設定をするとその時間感覚で自動で変形します。
野島:手で持ったままできるかな。
加々見:自動変形に設定しているときに本体がななめになると止まる仕様になっています。なので手で持ちながらだとちょっと大変かもですね。
野島:エリミネーターのままで倒れたら危ないですもんね。
加々見:最大24時間で時間感覚設定できるので、目覚まし代わりにでも……。
野島:変形するの見たら出勤!みたいなかんじですね。
加々見:アニメのなかで出てきたドミネーターを、できる限り忠実に再現してみましたが、いかがですか?
野島:ドミネーターってあるんだ!ってかんじですね。本当にそのまんまです。
加々見:このドミネーターはアニメのなかにでてくる3Dデータを元につくられているんです。I.G Productionさんからデータをいただいてそのままの見た目やサイズ感で開発しました。
野島:実際にもってみると、作中にでてくる彼らはみんな手が大きいんだなってことがわかりますね。だいぶ握力ありますね。
加々見:アニメを見直すと、持ち方にだいぶ注目して見てしまうようになりますね。
野島:やっぱり開発には変形の実装が一番時間がかかったんですか?
加々見:3Dデータをいただいたんですが、それはあくまで見た目だけなのでそれをどうやって変形できるような仕組みにするか、という点はとても苦労しました。変形に合うモーターがなかなか見つからなかったんですが、カスタムモーターをつくってくれた日本電産さんのおかげで、なんとか実装できました。
野島:実際にこれが発売されるまで、どれくらいの期間がかかったんですか?
加々見:2015年3月頃からプロジェクト自体はスタートしています。7月の段階で一度プロトタイプ版で発表して、2016年2月にやっと製品版を発表したという流れなので、ざっくり1年くらいでしょうか。
野島:1年ってはやいようなイメージですけど、よくできましたね。
加々見:Cerevoは家電製品をつくるベンチャー企業なんですが、なるべく短い期間で新しいモノをどんどん世の中に出して行くという方針で開発しているんです。
野島:例えばさっきの持ち上げたときにカチャっと効果音がなる、なんてなかなか思いつかないとおもうんですが、それぞれの機能はどういう風におもいついたんですか?
加々見:開発チームのみんなでアニメをずっと見ていました。見ているなかで気づいたことをどんどんピックアップしていって、それを具体的にどうすれば実装できるかということを話し合っていました。
またもともとサイコパスが好きな人も多かったのも、1つポイントかもしれません。
野島:愛を感じますね。グリップの細かい加工もすごいですよね。
加々見:コンピューターで制御されたCMC加工機をつかって、ドリルで細かく削っていっています。
野島:職人さんが1つずつつくっているわけではないんですね。
加々見:最新のテクノロジーをつかってつくっているです。
野島:特に最新の部分とかあるんですか?
加々見:ドミネーターのなかにはスマートフォンとほとんど同じようなパーツが搭載されています。ここまでのものを玩具と呼ばれるものに搭載されているのはこのドミネーターだけなんじゃないかなと。
先ほど犯罪係数をはかったのも、アプリの機能ではなくドミネーター本体の機能で、アプリと連携しなくても犯罪係数が計測できるようになっているんです。
野島:そうなんですか!?すごい。小さい頃、こういう複雑なものを分解よくしていたんですよ。これこういう仕組みで動くんだっていうのが知りたくて。でも絶対元に戻せなかったんですけど(笑)
加々見:ドミネーターは分解していただいてもいいんですけど、分解すると保証対象外になります(笑)
谷口:そういったガジェットとかよく買われたりするんですか?
野島:最近はなかなかないですね。それに関わったお仕事でここまでのガジェットがでる、というのはなかったですね。ここまで精巧なものができるなんて……分解したくなります。
谷口:分解用が必要かもしれませんね(笑)
野島:もうあり得ないってことがない世の中なんですね。どうすればできるかっていうのを考えて行く時代なんですね。あとは執行できるようになったらいいですね。
谷口:それはシビュラ次第になりそうですね。ドミネーターを使ってやってみたいことありますか?
野島:やっぱり何丁か友達と持って打ち合って、ごっこやりたいですね。
谷口:今日もスーツ着てきてくださってますものね!
野島:今日は絶対スーツじゃないとって。朝早かったけどがんばりました。
谷口:ありがとうございます!
野島:今後このカメラを使ってできることが増えていくと楽しそうですね。
加々見:アプリや本体のアップデートは今後もしていくので検討していきたいなとおもっています。
野島:ごっこやりたいので、アプリ上にでもいいので架空の倒せる相手みたいなゲーム性のあるものがあればうれしいですね。
加々見:いまごっこ遊びできるようなものを考えているので、参考にさせていただきますね。
野島:物語の世界に本当に入り込めるような遊び方ができるようになるといいですね!